著:山下弘
私家版・1991年発行
B5変・P50・\2,500
奄美といったらハブを連想される方は多いのではないでしょうか。
確かに現在ではハブによる被害が減ったとはいえ、依然恐ろしい存在であり嫌われ者です。
しかし、ハブには別の役割もあります。それは奄美の希少種を守る森の見張り番としての役割です。奄美の森にはいまだにアマミノクロウサギをはじめ多数の希少種が残されています。それは一番の破壊者である人間がハブを恐れて森の安易に踏み込めないからだと言われています。
この写真集をみていると妖精のような野生蘭の花もハブに守られてきたのだろうなという感じがします。
著者の山下弘さんはアマチュアのカメラマンですが、奄美の山々を歩き回り可憐な蘭を暖かく見守り記録に残している方です。つい最近新種も発見しています。この本も自費で出版されたもので、部数も少なくなってきているのであえてご紹介しました。
収録されている蘭は五〇種に及び、すべて和名および学名が掲載されています。
山下さんは蘭以外にも植物の写真を撮影していて、3シリーズの絵葉書も販売しています。当店で取り扱っていますのでご希望の方はお問い合わせ下さい。
生身の人間ではなくて機械に乗って山に踏み込んでこられるのですから、ハブも山を守るのは難しくなってきたのでしょう。残念なことにあちこちで野生蘭等、貴重種の盗掘の話しを聞きます。
(mizuma)
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