『自然の権利−報告 日本における[自然の権利]運動』自然の権利セミナ−報告書作成委員会 編発行所 [自然の権利]セミナ− 発売所 山洋社 1998年1月20日 第一刷発行 定価(本体2500円+税)・307頁 [目次]
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「自然の権利ちば、ぬぅかい?」とお思いのあなたへ質問です。 「美しいあまみを象徴する色は?」 私は、ブラック・イズ・ビュウティフルの黒だと思う。黒砂糖・黒糖焼酎・大島紬の泥(黒)染め・アマミノクロウサギなどはみんな黒。シマウタや八月踊りなどもシマジマのふか〜い闇の底からしぼりだされる伝統芸能だ。 さて、3年前の1995年2月に始まった「奄美自然の権利」訴訟は、日本で最初の生物が原告になり県知事を訴えた「クロウサギ裁判」として超有名になり、現在も継続中だ。 現在、日本の6ヶ所で同様な裁判が進んでいる。しかし、この種の運動の目的は、おおかたが誤解しやすいようにアマミノクロウサギなどの貴重種を守るためという自然保護の観点からだけではないということだ。 私たち人類を含めた自然と社会の生態系がこれからも継続していくために、ふか〜いモリ(闇)や川・干潟・海をとりもどし、地球の非砂漠化を回避するための切実な動きということ。そして、「××事業」・「××カントリ−」・「××美術館」などのバブル地獄とは無縁のところで、シマ々処々のコスモロジ−(自給自足)を再構築していこうよという呼びかけというと。 「生活(金や蓄財)のためには開発も仕方ない、自然で飯が食えるか!」という人たちにこそ読んでほしい。「自然(水や空気や食べ物)がなくてもあなたは生きていける?」 以上が本書を読んだ私の感想です。 (本処あまみ庵代表:森本眞一郎) |
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